特定継続的役務提供の規制
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特定継続的役務提供の規制


・契約締結前の概要書面交付義務、契約締結時の契約書面交付義務について
・誇大広告等の禁止、禁止行為、クーリングオフ、中途解約制度、損害賠償額等の制限、前払方式の書類の整備、閲覧・謄抄本の交付義務について

契約締結前の概要書面交付義務、契約締結時の契約書面交付義務について

特定継続的役務提供の規制については、契約締結前の概要書面交付義務、契約締結時の契約書面交付義務、誇大広告等の禁止、禁止行為、クーリングオフ、中途解約制度、損害賠償額等の制限、前払方式の書類の整備、閲覧・謄抄本の交付義務などがあります。

では、順番にみていきましょう。

まず、契約締結前の概要書面交付義務についてですが、役務提供事業者が契約締結までに交付すべき事項というのは以下のようになっています。
■事業者の氏名や名称、住所および電話番号ならびに法人にあっては代表者の氏名
■提供される役務の内容、役務の提供に際し役務受領者が購入の必要があるとされた商品がある場合はその商品名、種類およびその数量
■役務の対価その他の役務受領者が支払われなければならない金銭の概算額
■上記の金銭の支払時期と方法
■役務の提供期間
■クーリングオフに関する事項
■中途解約に関する事項
■ローン提携販売と割賦購入あっせんを利用す売る場合には抗弁権の接続に関する事項
■金融機関の保証等の前受金の保全措置を講じているか否か、および講じている場合にはその内容
■その他の特約があるときはその内容

なお、権利の販売業者についても、これに準じた交付義務があります。

次に、契約締結時の契約書面交付義務についてですが、役務提供事業者は、契約を締結したときは、遅滞なく以下の事項を記載した書面を交付しなければならないことになっています。

■役務の内容(役務の種類、役務提供の形態や方法、役務を提供する時間数、回数その他の数量の総計、施術を行う者・講師その他の役務を直接提供する者の資格・能力等に関して特約があるときはその内容)および役務の提供に際し役務受領者が購入の必要があるとされた商品がある場合はその商品名
■役務の対価その他の役務受領者が支払わなければならない金銭の額(入会金その他の対価、設備費等の費用、関連商品等の費目ごとの明細と合計額)
■上記の金銭の支払時期と方法
■契約担当者の氏名
■契約年月日
■役務の提供に際し役務受領者が購入の必要があるとされた商品がある場合には当該商品を販売する者の氏名または名称、住所および電話番号ならびに法人にあっては代表者の氏名
■上記の概要書面の「上記の金銭の支払時期と方法」「契約担当者の氏名」を除くすべての事項

ちなみに、権利の販売業者についても、これに準じた交付義務があります。

誇大広告等の禁止、禁止行為、クーリングオフ、中途解約制度、損害賠償額等の制限、前払方式の書類の整備、閲覧・謄抄本の交付義務について

誇大広告等の禁止、禁止行為、クーリングオフ、中途解約制度についてですが、 特定継続的役務提供する場合の提供条件や権利の販売条件について広告するときは、役務の内容や効果について、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良または有利であると誤認させるような誇大広告は禁止されています。

また、重要事項である役務の内容や効果、商品の性能や品質についての不実告知および故意の不告知も禁止されています。そして、販売業者等が契約について不実告知や故意の事実の不告知により顧客を誤認させて契約したときは、顧客はその契約を取り消すことができます。

最後に上記以外の制約として、5万円を超える前払方式で特定継続的役務提供を行う事業者に対しては、役務受領者等が事業者の財務内容を確認できるように、その業務と財産の状況を記載した書面の備置および役務受領者等の求めに応じて、閲覧と謄抄本の交付請求に応じなければならないことになっています。

関連トピック

・連鎖販売取引とは
・マルチ商法とマルチまがい商法、無限連鎖講との違いについて

連鎖販売取引とはどのような取引のことをいうのですか?

連鎖販売取引というのは、いわゆるマルチ手法のことですが、具体的には、次の要件を満たしている取引のことをいいます。

■物品(権利を含む)の販売(あっせんを含む)や、有償の役務提供(あっせんを含む)を行う事業者との取引であること
■その事業者が、販売目的の物品の再販売、受託販売、販売のあっせん、同種の役務提供またはそのあっせんをする者を「特定利益※」を収受することをもって勧誘すること
※特定利益・・・甲の勧誘により取引を始める乙が、次に商品等の購入や役務の提供を受ける丙が支払うことになる商品等の代金や取引料等の金銭の一部を、甲や丙から受け取ることができる利益のことをいいます。
■その者が、「特定負担※」を伴う、事業者と物品(権利を含む)の販売(あっせんを含む)や、有償の役務提供(あっせんを含む)に関する取引(取引条件の変更を含みます)をすること
※特定負担・・・上述の乙が、物品の購入、役務の対価の支払または取引料の提供を行うことをいいます。

ちなみに、連鎖販売取引では、特定商取引法上の訪問販売、通信販売、電話勧誘販売のように、指定商品、指定権利、指定役務の場合にのみに適用されるのではありません。

なので、すべての物品、権利、役務が対象になります。

また、連鎖販売取引というのは、商取引の経験が乏しい一般人を独立の事業者に仕立てあげて、多額の出資をさせるという弊害がありますので、「商品の販売等を店舗等によらないで行う個人」であれば、営業用の取引であっても保護されることになっています。

マルチ商法とマルチまがい商法、無限連鎖講とはどう違うのでしょうか?

ここで、マルチ商法とマルチまがい商法、無限連鎖講とはどこが違うのだろうとお思いになりませんでしたか?

実は、マルチまがい商法というのは、平成8年の特定商取引法(当時は訪問販売法)の改正前は、「再販売」だけが規制の対象になっていたので、「受託販売」や「販売(役務提供)のあっせん」による組織販売のことをそう呼んでいたのです。

平成8年の改正後は、こういった販売も連鎖販売取引の定義に含まれることになりましたので、現在はマルチ商法と同じ意味で使われています。

しかしながら、無限連鎖講は、マルチ商法と混同されやすいのですが、「無限連鎖講に関する法律」に定められているものなので、全く異なるものです。無限連鎖講は、商品の販売や役務の提供を介在することなく、金品(証券)を出資する加入者が先順位者になり、順次後順位者の出資金から先順位者が利益を得るという配当組織のことです。

なので、マルチ商法は、法令を遵守しさえすれば適法な組織になるのに対して、無限連鎖講は、無限連鎖講に関する法律によって違法な組織として禁止されているという点で異なります。

一つ具体例を示しますと、、、

連鎖販売会社から「特定利益」の勧誘は受けないで、単純に商品を購入した人が、後から「商品のすばらしさを他の人にも勧めてみないか」といわれて勧誘を始めた場合は、最初の商品以外には「特定負担」に該当するものがないわけですから、マルチ商法っぽいですけれど、連鎖販売取引にはならないということになります。

連鎖販売というのは非常にトラブルが多いのも事実です。

これの根本的な原因は、他人をその組織に加盟するという行為自体に限界があることです。統括者が2名で取引を始めて、その下のセールスマンが毎月2名ずつ勧誘したと仮定すると、32か月間で地球上の全人口がセールスマンになるという計算があります。

結局、このシステムは、自分が泣くか、自分の友人や家族を泣かせるシステムなんですね。


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