商品の瑕疵とクレジットの支払拒否
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商品の瑕疵とクレジットの支払拒否


・購入した商品の瑕疵と支払い拒否について
・「支払停止の抗弁」をされたクレジット会社について

購入した商品に瑕疵がある場合には支払いを拒否できるのですか?

購入した商品に瑕疵があることがわかった時点で、お金を支払いたくないですが、果たしてクレジットの支払いを拒否できるのでしょうか?

※商品の瑕疵
…そのものが当然もつべき性質をもっていないこと、取引上普通に要求される品質が欠けているなどの不完全な状態を意味します。

結論から申し上げますと、三社間取引の場合には、売買契約が完全に履行されていないわけなので、クレジット会社には、その事由が解消されるまで「支払停止の抗弁」を申し出ることができます。

では、具体的にみていきましょう。

まず、一般的な二者間契約の場合に商品に瑕疵があった場合はどうでしょうか?

この場合は、購入者と販売店の債権・債務は相関関係にあります。これは、相手が債務を履行しなければ、自分の債務の履行を拒否できる権利が発生するということを意味します。これが「同時履行の抗弁権」といわれるものです。

この場合、商品に瑕疵があれば、販売店は債務を完全に履行していないのですから、購入者は「同時履行の抗弁権」を主張することができます。これによって、購入者は瑕疵のない商品が引き渡されるまで、代金の支払を拒否することができるのです。また、もしそれが履行されない場合は、契約自体を解除することもできます。

では、三者間契約の場合、商品に瑕疵があった場合にはどうでしょうか?

この場合には、購入者と販売者の他にクレジット会社(割賦購入あっせん業者)が登場します。そして、購入者は、販売店と商品の引渡しに関する売買契約等を結び、代金の支払に関する契約は、クレジット会社と立替払契約を結ぶことになります。これら2つの契約は別個のものなので、売買契約によって生じた事由が、立替払契約に関する代金の支払にどのように関係させるかが問題になります。

この問題については、割賦販売法では、支払停止の抗弁を規定して、クレジットの対象になった売買契約・役務提供契約に関して、販売業者、役務提供事業者に生じている事由をクレジット会社に対抗できることになりました。これが「抗弁権の接続」といわれるものです。

なので、商品に瑕疵がある場合には、売買契約に関して販売業者に主張でき事由ですから、この事由をもってクレジット会社に立替払契約上の支払の停止を主張することができることになります。

ちなみに、支払停止の抗弁を申し出る要件とされているわけではありませんが、購入者は書面で具体的に事由を明らかにするよう努めることとされています。

「支払停止の抗弁」をされたクレジット会社の対応はどうなるのですか?

これに対して、「支払停止の抗弁」をされたクレジット会社はどうするのでしょうか?

クレジット会社は、消費者からの「支払停止の抗弁」に対して、申出の内容を調査し、必要に応じて購入者への請求を停止する手続きをとります。

一方、購入者の抗弁の事由は、販売店との契約上のものなので、クレジット会社に抗弁するだけでなく、「販売店との間でその事由の解消に努めなければならない」と定められています。

※抗弁の事由
…昭和59年の通産省(現在の経済産業省)産業政策局長通達では、抗弁の事由として、次のような例示をしています。
■商品の引渡しがなされないこと
■商品に破損、汚損、故障、その他瑕疵があること
■商品の引渡しが遅れたため、商品の購入目的が達せられなかったこと
■商品の販売条件となっている役務の提供がないこと
■その他商品の販売について、販売店に対し生じている事由があること
また、平成11年10月施行の割賦販売法の改正で、指定役務、指定権利が加えられたことによって、役務の未提供、期日に遅れた役務の提供、役務提供内容の相違、クーリングオフ・中途解約の未清算、関連商品等の未納の場合に、支払停止の抗弁が認められるようになりました。

関連トピック

・割賦販売法と業者の契約解除・残金一括請求について
・割賦販売法の場合について

割賦販売法と業者の契約解除・残金一括請求について

割賦販売法の場合、購入者が代金を支払わなかった場合には、業者が契約を解除したり、残金を一括請求できますが、その際には特別な催告をしなければならないことになっています。

具体的には、20日以上の相当な期間を定めてその支払を書面で催告することが必要で、その期間内に支払がなかったときに限ってのみ、契約を解除したり、残金の一括請求ができることになっています。

ここで、民法ではどうなっているのかみてみましょう。

民法では、履行遅延による解除権については、次のように規定されています。
「契約当事者の一方が期日がきても債務を履行しないときは、相当の期間を定めて債務を履行するように催促し、それでも相手方が債務を履行しないときは、はじめて契約を解除することができる」とあり、また、「相当期間を定めて催告し、その期間内に支払がないときは契約の解除ができる」としていますが、相当期間についての具体的な規定がありません。

なので「相当の期間」がどれくらいの期間なのかが問題になります。

ただ上記のように、民法には規定がないので、その時々の取引の内容や、債務の性質などに応じて、個別具体的に、客観的事情で定まることになります。

これは、裁判例でも、「催告期間が不相当であっても、催告の時と解除の時との間に相当の期間が経過していればよい」というように、日数は明確にしていません。 通説・判例では、「3日程度」とされています。

割賦販売法の場合はどうなるのですか?

では、割賦販売法の場合はどうなるのでしょうか?

割賦販売や割賦購入あっせんにおいて、購入者が指定商品や役務提供代金の賦払金・弁済金を支払わないということで、契約を解除したり、期限の利益を喪失させて残金を一括請求したりしようとするときは、20日以上の相当な期間を定めて、それを書面で催告し、その期間内に支払がないときに限られています。

これは、割賦販売などの場合は、うっかり支払期限を過ぎてしまったり、短期的な手元不如意を原因として、残金を一時に求めることは、購入者にとって著しく不利になるからです。この「20日間以上の相当な期間」というのは、購入者が金策をする期間も考慮されているのです。

なので、たとえば「1日でも支払が遅延した場合には期限の利益を喪失する」という特約を結んだ場合でも、割賦販売法の対象になる取引では、こういった特約を結んでも無効になります。金銭消費貸借契約等では、一般的な特約ですが、割賦販売法では、この点で異なるということになります。

最後に、割賦販売法における期限の利益喪失の事由ですが、割賦販売法施行規則によると、次の3つに限定されています。

■購入者の支払義務の不履行
■購入者の信用が著しく悪化した場合
■購入者に重要な契約条項違反があった場合

上記の「購入者の支払義務の不履行」の場合には、20日間以上の相当な期間を定めて、その支払を書面で催告しなければなりません。ちなみに、本催告は到達主義を採用しています。

よって、催告状が購入者に到達した日から20日以上ということになります。


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